20〜25 忙しすぎて観れてない&詳しい感想書けない…

20、パンズラビリンス

【一言コメント】
ダーク・ファンタジーの傑作。にして、ファンタジーの本質を突いている。非常に重たい観後感を残しつつも、意外とあっさりしているのは、そのファンタジーの本質と関わってくる部分だが、ちょっとだけもったいない。


21、チェイサー

【一言コメント】
一生涯好きでいられる映画見ーつけたって感じ。


22、シークレット・サンシャイン

【一言コメント】
主演女優が良すぎて死ねるって感じ。


23、王立宇宙軍 オネアミスの翼

【一言コメント】
何度見ても好き。


24、アイ・アム・レジェンド

【一言】
クソ映画。


25、南極日誌

【一言】
いろいろ難はある映画だが、あまり観たことの無い恐怖が味わえる。南極と人間の顔って怖いものなんだなー。

19、大日本人

【一言で言えば】
無駄遣い。
映画の無駄遣い。金の無駄遣い。ボケの無駄遣い。キャリアの無駄遣い。尺の無駄遣い。そして俺の大事な時間を無駄遣い。

【詳しく書くなら】
以前レンタルビデオ屋で、たしかこの映画の宣伝も兼ねてた気がするが、松本人志のオススメ映画コーナーみたいなのがあって、そのチョイスを見て「あーこの人、けして映画好きではないんだなー」と思った。なので、そういう目で、つまりあまり映画映画してないんだろうなーという目で観始めた。別に映画好きならわかること、というわけではないが、カメラワーク、カット割りなど基本的な造りがやはり甘いというか、できてない。ストーリーに関してはまー長いコントのようなものだと思えば別に(どーでも)いいが、映像の作り方はちょっと度し難い。

変身中のシーン以外の、大佐藤の普段の姿を追っているあの映像パートはつまりなんなのだろう。ドキュメンタリー“映画”を模しているのか、ドキュメンタリー“番組”を模しているのか。フェイクドキュメンタリーにしたいのであれば、それがどのようなメディア媒体上のものなのか想定しないとダメだろう。なぜ作られ、どう公開されるものなのか、ということを。

コンビニ(だったような)に入った大佐藤を外からカメラが追う映像では、コンビニの窓に撮影スタッフなりカメラマンなりが反射して映っててリアリティ路線なのに(この映像は嫌いじゃない)、帰宅する大佐藤を後から見送っていた映像が、いきなり歩いている大佐藤を正面から捉えるあきらかに計画された映画的なカット割だったり。公園ベンチでのインタビューも構図は固定カメラでがっちりキメて、背後の子どもたちの動きも作りこまれているのに、わざとらしく電話かかってきて「仕事なんでカメラ止めてもらえます?」とか言ったり。インタビュアーとの会話もリアリティ狙いすぎて逆にうそ臭いし、というかあの会話をノーカットでたらたら流すドキュメンタリーってなんの媒体なの?編集されてない映像でリアリティを出そうとするなら、ところどころ入る固定カメラのキメ映像はどう見たらいいの?っていう。

もしこれが5分のコントならツッコまないけど。気にならないし。

あと獣を解説する画面も、位相が違うし。映像の位相の違いをまるで意識していない。

17、18

17、SPILIT

【一言コメ】
たしかにジェット・リーの最高傑作。武術観の総括とか言うだけある。ワンス・アポン〜だったか少林寺だったか、同じように清朝時代を舞台にした作品での排外主義というか反欧米主義も総括している。メイキングも面白かった。


18、ほえる犬は噛まない

【一言コメ】
最近映像を撮っているせいもあって、とても親近感をもって観た。画質が。タイトルの意味についてじっくり考えたい。まーDVD買ったし何度も観よう。

11、12、13、14、15

会員二名と一気に5本観た。

11、HOSTEL

【感想】
スプラッターだが割とすっきりする映画。欧米人が抱く、エスニックな幻想だとかバックパッカーが抱くパラダイス幻想がコテンパンにされるが、その幻想にもちゃんとしたリアリティを持たせているところが上手い。多言語の障壁、ガイジンへの映画的な偏見など、タランティーノチルドレンっぷりを発揮している。イングロリアス・バスターズイーライ・ロスが出ることの意味がわかる。


12、グラン・トリノ

【感想】
Mr.アメリカの良心、クリント・イーストウッドの、アメリカを内部から見つめる作品。非常によく出来た映画。とても好き。
ふと思ったのは自動車というモノのアイコンとしてのポリティカルさ。日本とアメリカを考える上でも、自動車から見えるものはあまりにも多い。車から考える映画というのもいいかも。


13、クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ モーレツ! オトナ帝国の逆襲

【感想】
そもそもの動機は「ノスタルジーへの危惧」だろう。問題意識として、あるいは原恵一の経歴からすると自戒も込めて創られたもののような気がする。昭和への、特に三十年代へのノスタルジーに対して。しかし、その意味ではあまりに弱い。ノスタルジーの対立項が「家族」だというのはこの映画の中だけでの話。実際には、20世紀後半から21世紀にかけての日本では、現実に家族は綻んでいき、家族(ないし地域社会)の繋がりが希薄になってきているからこそ「あの時代のほうが良かった」と言われているわけで。おそらく劇中もっとも「大人」がホロっとくるヒロシの回想シーンにしても、お前の大好きな大阪万博に象徴される成長志向こそがいまのこの時代をもたらした、ということを言えていない。あそこで、昭和を否定することだってできたはずだ。要するに、もう一度「夢が見れていた」時代を再現したところで、その夢がもたらすのは今のこの現代なのだと言えよっていう。これからを生きる子どもたちにとってはマジで意味がわからない映画だ。


14、殺人の追憶

【感想】
グラン・トリノを観た後で、ポン・ジュノの韓国への冷静な眼差しに感銘を受けた。もちろんドラマとしても凄まじい出来である。いま気づいたけれど、俺は好きなものに対してあまり多くの言葉を持たない。


15、GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊

【感想】
電脳化・義体化のもとでの人間の定義、それはすなわち人間の定義そのものを問題にする。という大上段に構えたテーマに見合った最高の映像美。

10

10、マイマイ新子と千年の魔法

【一言コメント】
おおむね良作。よくある昭和三十年代賛美ものにはなっていない。「空想」と「現実」の闘争関係の物語として、もしかするかもしれないなと期待したがそこは正直大したこと無かった。

9、攻殻機動隊STAND ALONE COMPLEX Solid State Society

【一言コメント】
TVシリーズ、他の映画版をほとんど観ていないにも関わらず、BSで放映していたため観てしまった。もちろん、攻殻シリーズをまったく知らないわけではない。士郎正宗の原作コミックは読んでるし、だいぶ前よくわかんないが映画版を一本観た。こんな状態でも一応理解できるようには作られていた。

【ちょっとだけ詳しい感想】
難解で高尚だとされる攻殻だが、この映画版でほんとうに難解で高尚なのは、コシキのスタンスだ(だけだ)。死にいくものと生まれてくるものの間にソリッドな再分配を構築する「Solid State」システム。しかしそこにエリート主義的な洗脳を施そうとする馬鹿なファシスト、村上はいらない。エッセンスとなる部分をそぎ落とし、問題提起の核となる部分だけを抽出するとすれば、この部分だろう。だとしたら、シナリオのペース配分がおかしい。ずっと犯人探しをしてきて崖の上で「あなたが犯人ですね」と問い詰めると「実はこんな深い訳が……」という俗流サスペンスと同じ構造だ。要するに、提起する問題の複雑さこそをシナリオに落としこめろよということ。